しわ・たるみ治療の歴史

しわ・たるみ治療の歴史

アンチエイジング治療としては、ヨーロッパで1900年代から始まったといわれています 。
最初は、皮膚を切除して引っ張る手術から、徐々にリスクの少ないレーザー治療や注射の治療に移行しています。
近年は、熟練した専門医が微妙な老化までをも治療 できるまでになってきています。

フェイスリフトの歴史

フェイスリフトの歴史は古く、20世紀の初期から行われていたと言われています。
主にヨーロッパ諸国で行われていたようですが、1901年にポーランド人の貴族の女性に対して、生え際で皮膚を切除して皮膚を引っ張る手術を行ったのが最初ではないかと言われています。
このころの手術は皮膚切除と縫縮術によるまさにしわ取り術と言うにふさわしいものでした。
その後、時代の変化や麻酔の進歩なども加わり、より洗練された術式の報告がなされるようになってくるわけです。
1970年代になると皮膚のみを引っ張る方法から、皮膚よりも下に存在する筋膜や筋肉を引っ張る方法が盛んに行われるようになり、この方法がフェイスリフトの効果を劇的に改善させました。
皮膚だけでの牽引ではそれほど期間を経ないで皮膚が緩んできて効果がなくなってしまい、さらにそれにもまして強く引っ張ろうとすると縫ったところに強い張力がかかり、目立った傷を残してしまうという欠点があったからです。
この方法が盛んに行われるようになると手術後の傷跡も目立たなくなり、効果もかなりの間持続するようになり、徐々に受け入れやすい手術となってきます。
1990年代に入るとこの方法に飽き足らなくなってきた医師達が、もっと効果があって効果がさらに長持ちする方法の開発に積極的に取り組み、もっと深い層で剥離して引き上げる方法や、剥離範囲をさらに広げた方法、内視鏡を使った方法などさまざまな方法が発表されるようになりました。
また、こうした動きとは正反対に、患者さんの負担を少なくして、術後の傷跡や腫れをなるべく少なくするような動きも出てきて、このことはダウンタイムを少なくしたいという患者さんの要求にマッチして、どんどん新しい方法が報告されています。

ヒアルロン酸注入の歴史

ヒアルロン酸は1934年に米国コロンビア大学教授らによって、牛の目の硝子体から発見されました。
硝子体を表すギリシャ語の「ヒアロイド(Hyaloid)」と多糖体の構造単位である「ウロン酸(Uronic acid)」を合成しヒアルロン酸(Hyaluronic acid)と名づけられました。
日本国内でヒアルロン酸が医薬品として使用開始されたのは1987年からです。
変形性膝関節症の治療薬として発売されたのが最初です。
2000年に医療品の審査の厳しさでは定評のあるFDA(日本の厚生労働省にあたる食品医療局)の承認をアメリカの各メーカーが受けたことから、ヒアルロン酸注入による美容技術が一気に進化し、広がっていきました。

ボトックス治療の歴史

麻痺などに対するボトックス治療は1977年から始まっていて、眼科医や神経内科でのボトックス製剤を用いた治療は歴史も古く、馴染みがあります。
2002年4月、アメリカの食品医薬品局(日本の厚生労働省にあたる機関)で、シワ治療にボトックス注射が正式に認可されたことから安全性が確認されました。
日本では、1996年に眼瞼痙攣、2000年に片側顔面痙攣、2001年に痙性斜頸治療が厚生労働省の承認を受けています。
美容整形外科で「プチ整形」として顔のシワ治療に用いられるようになったのが2002年から、多汗症治療は2004年頃から始まり、その効果の高さや注射を打つだけの手軽さから注目を浴びるようになりました。

レーザー治療の歴史

レーザー治療の黎明期ノーベル物理学賞を受賞したアインシュタインが1920年代半ばに行った「誘導放出の研究」という論文がレーザーの発想の原点です。
1954年に、C・タウンズらが、電波の一種のマイクロ派を強力にまっすぐに送り出す装置である「水素メーザー」を開発しました。
1960年にはアメリカのT.H.メイマンがルビーの結晶を使い、光を強力に直線的に送り出すレーザー発振装置を開発しました。
これが近代レーザーの発祥です。